とある少女の恋物語

短編 頂き物 1



 どうも、おはようございます。リヴァルです。この頃やや寒い時期が続いていますが、今日はポカポカといいお天気です。

 風もあまり吹いていませんで、絶好のお出かけびよりになりそうですね。

 …えっ? なのにどうしてお前は家の中にいるんだ、ですか?

 べっ、別に今日はプリシスとラドルさんとアシュトンさんが朝早くから出かけてて、誰もいないからレオンと二人きりになれるからだとか、全然そんなんじゃ無いですよ?

 ほっ、本当ですよ?

 …ごほん。少々取り乱しました。

 まぁ、そんな訳でアシュトンさんが作って下さったサンドイッチを食べながら、のんびりとレオンが起きてくるのを待ちます。

 アシュトンさんは料理がとても上手です。しかも、女の私が嫉妬してしまうぐらいにです。

 これは私も負けていられません。

 こう見えても私は結構料理が得意な方で

 …って、え、なんですかその疑いの目は? 失礼ですね。

 私だって料理ぐらい出来ますよ。

 それに、プリシス聞いてみたところ、レオンはあまり料理が得意な方ではないみたいですし、そうなると、やはり将来のつ、妻(はぁと)としては当然料理と言うスキルが必要になります。

 そしていつか…


『レオン、朝ご飯が出来ました。』

『ありがとうリヴァル。やっぱり君の手料理は最高だ…。どうせなら、毎日でも食べていたいよ(200%美化)』

『…えっ、そっ、それって…』

『おっと。少し言い方が遠まわしすぎたかな。…リヴァル、僕の為に毎日朝ご飯を作ってくれないか?』(200%美化)

『…はい。喜んで』


 み、みみみみみたいな展開を!

「リヴァル、おはよ…って何やってるの?」

 私が握りこぶしを上に掲げながらそう決意していると、寝室からレオンが出てきました。

「あ…ちょ、ちょっとした軽い準備運動です」

「…へぇ」

 私がそういうと、レオンは特に気にする事もなく洗面所の方に向かいました。

 ふぅ…何とかごまかせたみたいですね。(ごまかせてないぞbyシモン)





 そして洗面所から戻って来たレオンにサンドイッチをあげて、今度は二人で朝食を食べ始めます。

「あれ…? リヴァル、プリシス達知らない?」

「みなさんなら朝早くからお出かけになられましたよ」

「そっか、ありがとう」

 そういってレオンは微笑みます。

 その笑顔を見て、私も思わず微笑んでしまいます。

 それに私は年の近い同じ境遇の人と会う機会がありませんでしたから、ますます顔がほころんでしまいます。

 あぁでも、プリシスにもアシュトンさんにもラドルさんにも、そしてオペラにも、出会えて本当に嬉しかったですよ?

 まぁ、その中で一番の出会いはレオンなんですけどね(きゃっ♪)

 …え、シモン?誰ですかそれ?

 …まぁ、そんな訳で、現在二人きりと言うこの機会に少しでもレオンとの差を縮めないといけな―




(くいっくいっ)


「あれ、どうしたの無人君?」

 レオンの足元を見てみると、無人君がレオンの裾を引いてました。

 何でしょう? 用事なら手短に終わらせて欲しいところです。

「ええっと何々…『武器を作ってるところでちょっとエネルギーの質量が難しい部分があるからそこんとこの計算よろしく。(byプリシス』?」

 どうやらなにかの計算を頼まれたようですね。

 ですが、レオン一人で行う必要はありません。

 なぜなら私もレオンと同じく幼少から研究所で働いていた身。

 レオン程ではありませんが、計算は結構できる方です。

 そんな訳で私も手伝おうと声を掛けたのですが…

「いいよ別に、プリシスのワガママに付き合ってもらわなくても。これは僕一人でやるから。」

「…えっ、で、でも…」

「それじゃ、行こう。無人君」

 私の願いも虚しく、レオンは無人君と一緒にプリシスの部屋の部屋に行ってしまいました。

 …わ、私と二人きりになるのがそんなに嫌ですか?

 それとも、よっぽどプリシスの用事が大事なんですか?

 再び食べたサンドイッチは少し塩の味がしました。


fin.





あとがき

小説を書いてくださいましたラドル様、本当にありがとうございましたm(..)m
話は漫画版BSですね。恐らくは学術都市ノットでの1シーンだと思います。
リヴァルの妄想と、プリシスに対する嫉妬がとっても可愛いです。

あと作中にでてくるシモンさん。この絶妙な存在感が好きです(笑)

短い文の中での、リヴァルの心情の移ろいを表現されていて、
また自分はあまりリヴァル→レオンを書かないために、
(どちらかといえばレオン→リヴァルばっかり(汗))
とっても新鮮味があって面白かったです。
レオリヴァファンの皆様、ぜひ何度も読んでみてください。

2009/1/25
ぷりん